「令和日本の大問題 現実を見よ!危機感を持て!」著 丹羽宇一郎 内容とレビュー

本レビュー

こんにちは!今回は令和日本についての問題点を指摘した本を読んだので紹介しますね!


〇こんな方にオススメ

・令和日本の問題に興味のある方

〇本書のゴール

・令和日本の問題点を把握し、イメージして備える

こんにちは!今回は「令和日本の大問題」著丹羽宇一郎さんの本を読んだので、投稿してみます。内容はタイトルの通り、令和日本の問題点について書かれており、比較的最近出版された本で、若者たちに奮起を促している本となっております!では内容となります↓

現役世代へのメッセージ

 筆者はかつての成功体験は現在では通用しないので捨て去り、自分の頭で考えたほうが良いとしています。又、高齢者に関しては、若者に席を譲るように配慮しなければならないとしています。若い才能を腐らせることに著者は危機感を抱いており、未熟な内にリーダーを任せることで、自分が力不足だということを認識しているから、謙虚に頑張れる=リーダーになるための条件だとしています。つまり、リーダーの条件としてまず第一に「自分は物事を知らないと自覚していること」としており、その為、広く学び、森羅万象の真理を追究してわかることは結局自分がほとんど何もわかっていないということに気付いていることだとしています。

 また、ネガティブリストをもとに仕事をすべきだとしています。具体的には、「やってはいけないこと以外は何をやってもよい」という姿勢で仕事に取り組む、又任せる方もやり方には口を挟まないことが、楽しく仕事をするためには必要だとしています。やってはいけないこととして、信用を失墜される行為を挙げています。

 もし仕事が楽しくないなら、それはポジティブリストで仕事をしているからだとしています。具体的には、「やっていいこと以外は何もやってはいけない」という仕事に対する姿勢であり、目の前にある決められた仕事を正確にこなすだけで、成長もイノベーションも生まれないとしています。

働き方改革に対する不満

 著者は働き方改革に対して失望感をもっているとし、

・いつ、どうやって働くかは働く人がきめるべき

・人口減社会では労働生産性をいかにあげるかが焦点

・労働時間に上限を設けることに疑問

・労働生産性が高い働き方に関しては、各人に任されていて結局不透明

以上のことから、働く人と働く価値を無視した政策であり、早期に見直すべきだとしています。また働き方と本来、社員と会社の信頼ベースで成り立つとして、それぞれ働く人の自由意志で決めるべきであって、一律に時間外労働を管理され制約されるのは、人間の働き方にそぐわないとよりつっこんで言及しています。またブラック企業とは、自分の仕事さえうまくいっていれば他人のことなど知ったことではないという非チームプレーが蔓延している職場を悪質であり、そんな状態を長年許している会社をブラック企業だと定義しています。

求められるスキル

 これについては、一人あたりの労働生産性を高めることで、人が減ってもそれに見合うだけの労働生産性が上がれば全体のアウトプットは変わらない=GDPも変わらないで済むとしています。そのためには労働者の賃金を挙げて、生産性を高めるべきだとしています。また、現代の先進企業、GAFAが欲しがっている人材=リベラルアーツをもった人材だとしており、定義として教養、すなわち人が健全に生きるための知識と知恵だとしています。このリベラルアーツはイノベーションには不可分・必要であるとして、技術力だけでは立ち行かないことをGAFAをはじめとするIT先進企業は気付いているとしています。なので、リベラルアーツを持つ努力をしなければならないとしています。

絶望を直視し、希望を見出すには

 本書では、社会保障給付費約120兆円の約70%が年金・介護・老人医療に使われていて、対して教育予算は4兆円でGDPの1%にも満たないことに危機感を募っており、高額所得高齢者の一部から若者の教育予算に回すべきだとしています。つまり、日本は老人に手厚く若者支援が少ない国になってしまったとしており、今後老人が増えていくとしています。又、30年前は全労働者の16%程度だった非正規労働者が40%近くになっていることを踏まえた上で、格差が拡大し貧困世帯が増え、子供・若者への支援が増えることはないとしています。これが若者を内向きにしており、少子化に歯止めがかからないとしています。

 また、帰属意識が希薄化し、社会的孤立が将来不安を生むひとつの要因としています。OECDの調査によると、日本人は他の先進国に比べて社会的孤立度が高いとしており、以上のことから若者たちの未来は不透明でひどく心細いと言及しています。

 これらのことから、京都大学の広井教授は「2050年に日本は持続可能か」を、AIを使用し2万通りのシナリオを描き出し、「一番の問題は、私たちが成熟社会の豊かさのモデルをイメージできていないことにある」と指摘しています。いまだに、アメリカと同じ拡大成長路線でGDPを上げる選択肢しか、すくなくとも政治はみていないとしています。著者は重要なことは冷静に事実を直視し、軽率な行動をとらず、事実を解明しながら落ち着いてその対処を考えるべきだとしています。つまり、悲観的に考えて楽観的に行動するべきだとしています。

日本の分岐点は約10年後

 本書では日立京大ラボにて、AIを使用して「2050年の日本の持続可能性」について、149個の社会要因を設定し、2018年から2052年までの35年間で、約2万通りのシナリオを導きだしたとしています。このラボは「曖昧なものを曖昧なまま」扱うこととしており、社会科学は値によって結果が左右されるので変数を用いて、曖昧な要素を考慮し、全てが影響し合うように設定されているため、確かな趨勢・傾向はつかむことができているとしています。そうして、2050年に向かって2万通りの日本の未来のシナリオができたとしています。この2万通りのシナリオは、まず2つの分かれ道にぶつかるとしています。

①都市への人口一極集中が加速する「都市集中シナリオ」

②地方に人口が分布する「地方分散シナリオ」

①の場合、個人の幸福感などは低下するが、人口集中による公的サービスの効率化によって政府の財政は持ち直す

②の場合、出生率が回復、社会的な格差の縮小、個人の健康や幸福感は増大するが、政府財政や環境悪化を生み出し、「破局シナリオ」へ向かう可能性がある。破局シナリオを避ける為には、地方税収や地域内エネルギー自給率の増加など必要な政策を継続的にしなければならないとしています。

 非常に重要なことは、今から8~10年後くらいに都市型集中シナリオと地方分散シナリオの分岐点が訪れ、いずれかの道を選べば、それ以後は2つのシナリオが交わることはないとしていることです。

 ここからモラトリアムの時間はあまりないとしています。また本書ではドイツをモデルに日本が持続可能であるためには、一極集中から多極集中に向かうべきだとしています。一極集中シナリオでは破局する可能性が高いと指摘しています。また今から30年間でこの社会で人口が2,000万人減り、2050年には1憶人を切るとしています。また、社会インフラの老朽化、大都市圏の孤独死が急増、名門校、企業が消えていくなど多方面でひずみがでると指摘しています。

 また移民の受け入れに関しては懐疑的な立場をもっており、日本に来る外国人のほとんどが中国、韓国、東南アジアの人々であり、彼らとうまくやっていけるのかどうかは、戦前にアジア進出した日本人の振舞いや、今日の中国・韓国に対する国民感情をみると新たにきた彼らに対してこちらから歩み寄ることは期待できないだろうとしています。

中国とはうまく付き合うべき

 本書では、中国が今後民主化していくだろうとしています。なぜなら、国を豊かにするためには、国家による統制ではなく、国民に自由を与え、自由に産業を発展してもらった方がうまくいくからとしています。よって、香港の民主化運動のように、今後中国のいたるところで民主化運動が起きるだろうとしています。又、日本の中国からの輸入は長年にわたって第一位、輸出先でも2018年にはアメリカを抜いて第一位になり、もはや最大の貿易相手となりつつあるとしています。

 以上のことから、日本はアメリカ、中国の両輪なしでは成り立たない国になりつつあるとした上で、ASEAN諸国と協調し、地の利を生かして経済関係・外交関係を構築していくべきだとしています。又、日本の自立が必要だとし、戦争を国際問題の解決にしては絶対にしてはならないとしています。

書評

 丹羽宇一郎さんと言えば、悲観的に考え楽観的に行動するという言葉を大切にされている方と筆者は思っていますが、今回のAIではじき出した未来予測についてはかなり悲観的に考えているなと思いました。現在の大問題はやはり、社会保障費の大部分は高齢者に充てられているという点でしょうか。このままの分配率だと世代間格差がますます激しくなるので、現政権には変えていってほしいなと思います。また、AIや5Gがどういった変化を起こしてくれるのか明確には分かりませんが、うまく使いこなしていきたいですね。その上で令和にくるであろう昭和と平成のひずみを自分の頭で考えて、ベターな解決策で前向きに取り組んでいきたいものです。今回は以上となります。最後まで読んでいただきましてありがとうございます。


The following two tabs change content below.

わたくし(ベイファン)

野球好きな30代家業2代目!当ブログでは、株式投資など自分の興味のある事柄で、有益だと思った内容を投稿しております!以前はWebライターとしても活動しておりました!主な略歴は、Webライティング実務士、校正実務講座修了、株式投資最大利回り約280%を達成しており、様々な投資活動にも注力中!何卒、よろしくお願い致します(^^)/ 【注意】投資情報はあくまで参考程度に流し読みしていただけますと幸いです。投資は自己責任となりますので、損失が出た際の責任は一切負いかねます。何卒、ご了承いただきますようよろしくお願い致します。
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました