「貞観政要 中国古典に学ぶ世界最高のリーダー論」 著 出口治明 内容とレビュー

〇こんな方にオススメ

・中国古典かリーダーの在り方を考えてみたい方

〇本書のゴール

・歴史を参考に、リーダー論を確立する

 おはようございます!私の中で現代の経営の神様BIG3は、京セラ創業者であり、JALを復活させた稲盛和夫さん、元伊藤忠商事会長、元中華人民共和国特命全権大使、丹羽宇一郎さん、そして、本日紹介する出口治明(ライフネット生命創業者、立命館アジア太平洋大学学長)さんだと思っております。

 今回はその内の一人である出口さんが中国の歴史から読み取る現代のリーダー論についてまとめた本が出版されていたので、内容とレビューを記載致します。

「貞観政要」が作成された時代背景

 貞観政要は、中国の唐の第二代皇帝、太宗・李世民の言行録です。「貞観」とは西暦627年~649年の元号であり、中国史上最も国内が治まった時期といわれています。「政要」とは政治の要諦のことです。太宗は約24年間、帝位についていましたが、その主な理由は2つで、

・権限の感覚をもっていたことと

・臣下の諫言を得たこと

 だと本書では記載されています。もともと、唐成立前の中国を振り返ると、2世紀半ばごろにユーラシア大陸の寒冷化に伴い、遊牧民が東西に分裂し、東に移動した遊牧民が五胡十六国をつくり、最後に生き残った拓跋部が北魏をつくります。そして、北魏の分裂後、楊堅が中国本土を統一し、隋を作り、李淵・李世民(太宗)親子が隋を滅ぼし、唐を建国するという流れになっています。太宗は、もともと遊牧民の血筋であり、漢民族の人間ではないことから、国を治める正当性がもともと薄く、マイナスからのスタートでした。

「楊堅」と「太宗」

 本書では、隋の統治者である楊堅の後世の評価が最悪だったのに対して、唐の統治者であった太宗が、楊堅とあまり変わらない実績なのに対して、前述のとおり、中国史上最も国内を統治した名君と評価されているところに注目し、統治の正当性がなかった太宗がどのようにして国を治めていたのかを記載しています。

 太宗は、自身の正当性を少しでも上げる為に、楊堅の業績を脚色し、「ダメな統治者」だったことにし、後世に名を残したいという真っ当な理由から、臣下の諫言を聞き入れ、人民にとって善政を敷く決意であったことが、「貞観政要」から読み取れるそうです。

自分に諫言してくれる部下を置く

 魏徴はもともと、太宗が唐の統治者になる前の後継者争いの際に、太宗の命を狙う兄と弟の配下に属していた敵方の将でしたが、太宗が先手を打って、自分の首を狙う自身の兄と弟を殺します。

 その際、魏徴を捕らえますが、尋問の際に、「はやく対処しないと弟(太宗)は優秀だから先に手を打たれて殺されてしまいますよと諫言したのに、そうすれば自分はこんな仕打ちを受けなくて済んだのに」と言ったことを聞いた太宗は自身の臣下に置くことを決意します。その後、太宗は自身に過失があった際は、魏徴に指摘してくれるように頼み、自分が裸の王様にならないようにしました。

三鏡と器の話

 太宗が統治の際の意思決定をする上で、必要な心構えは何だったのかについて記載しています。具体的には三鏡という心構えです。

 ①自分を鏡で写して楽しそうな表情をしているか確認する。(銅鏡)

 ②歴史の鏡(過去に照らして将来に備える)

 ③人の鏡(直言をしてくれる「他人」が必要)

 この3つを意思決定の際に、意識していたからこそ、道理にあった政治を行うことができたそうです。また、人間の器については大きくすることはできないけど、空っぽにすることはできると本書では記載されており、空っぽにすることで新しいことを考えたり、間違いを受け止めたりすることができると記載されています。

書評

 ざっとですが、記載内容をこんな感じで、当時の唐の成立背景から、なぜ名君と評価されたのかについての理由、現代にも通じる考え方が記載されています。

 印象的なのは、ビジネスで最も必要なことは「明るく、楽しく、元気よく」だということで、シンプルですが、わかりやすい考え方を、経営の著名な方が主張しおり、物事の原理原則を考えるきっかけにもなる書だとも思っています。今回は以上となります!ではー。

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わたくし(ベイファン)

野球好きな30代家業2代目!当ブログでは、株式投資など自分の興味のある事柄で、有益だと思った内容を投稿しております!以前はWebライターとしても活動しておりました!主な略歴は、Webライティング実務士、校正実務講座修了、株式投資最大利回り約280%を達成しており、様々な投資活動にも注力中!何卒、よろしくお願い致します(^^)/ 【注意】投資情報はあくまで参考程度に流し読みしていただけますと幸いです。投資は自己責任となりますので、損失が出た際の責任は一切負いかねます。何卒、ご了承いただきますようよろしくお願い致します。
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